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カーコーティングと言えばボディコーティングをイメージする人が多いのですが、近年は内装コーティングを施工する人も増えてきています。快適な車内を維持するうえで欠かせない存在と言えるでしょう。

愛車への施工を検討しており、内装コーティングの具体的な効果や施工メリットが気になるという方もいるのではないでしょうか。今回は、内装コーティングのメリットや施工をおすすめする人、施工店を中心に解説していきます。

DIYによる内装コーティングの方法や、注意点も紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。

車は外装だけでなく内装もコーティングできる

車は外装だけでなく内装もコーティングできることについて解説するイメージ

冒頭で解説した通り、近年は愛車の内装コーティングをする人が増えてきています。一口に内装コーティングといっても、さまざまな種類があり、得られる効果や施工目的が異なります。

内装コーティングの種類 施工目的や効果
シートコーティング レザー素材やファブリック素材のシートに施工するコーティングで、摩擦による劣化や飲み物こぼれなどによるシミや汚れを防げる。
プラスチック(樹脂)コーティング ダッシュボードやドアリムなどのプラスチック部分に施工するコーティングで、紫外線による色あせや汚れの固着を防げる。
ガラスコーティング(内側) フロントガラスなどの内側に施工するコーティングで、湿気による曇りを防ぎ、視界をクリアに保ちやすくなる。
抗菌・防臭コーティング 車内全体に施工できるコーティングで、車内での菌の増殖や悪臭の発生を防ぎやすくなる。

特に多いのがシートコーティングやプラスチックコーティングで、専門店だけでなくカーショップなどでもメニューとして扱っているお店が増えてきています。ちなみに、内装コーティングを施工できる主な箇所は以下の通りです。

シート/ダッシュボード/ハンドル/ドアトリム/フロアマット/センターコンソール/シフトノブ

内装コーティングの施工メリット

内装コーティングの施工メリットについて解説するイメージ

内装コーティングは施工箇所によって効果が異なりますが、主な施工メリットとしては、以下のような内容があります。

内装コーティングの施工メリット
・紫外線による色あせなどの劣化を防げる
・撥水効果により汚れや汗が素材に染み込みにくくなる
・汚れが固着しにくくなり普段のお手入れが楽になる
・抗菌、防臭効果により不快な臭い(タバコやペット)を軽減できる
・中古車として売却する時の価値の向上

コーティングは、長年車に乗り続けていることで起こる直射日光(紫外線)による色あせや劣化を軽減できます。また、表面に形成される保護被膜により、撥水効果が備わり、汚れや汗が素材に染み込みにくくなります。

万が一飲み物や食べ物をこぼしてしまった際にも、奥まで浸透しにくく、比較的簡単に拭き取ることが可能です。普段のお手入れも楽になり、快適な車内環境を維持しやすくなるといったメリットがあります。白のレザーシートの車に乗る方が悩みがちな、摩擦によるジーパンの色移りも軽減可能です。

内装コーティングをおすすめする人

内装コーティングをおすすめする人について解説するイメージ

内装コーティングを特におすすめするのは、以下のような内容に該当する方です。

・小さな子供を乗せる機会が多い方
・ペットと一緒に移動することが多い方
・長く乗り続ける方
・屋外駐車の方
・アレルギーなどに敏感で衛生面への配慮が必要な方

小さな子供やペットを乗せると、飲み物や食べ物をこぼしたり、オシッコしてしまったりすることがあります。コーティング施工車であれば、素材に飲み物などが染み込みにくく、シミの発生を防ぎやすくなるためおすすめです。

長く乗り続ける方や、直射日光の影響を受けやすい屋外駐車の方の場合も、シートなどに施工することで、紫外線のダメージを防ぎ、摩擦による劣化も軽減可能です。また、シートコーティングは柔軟性や弾力性を維持しやすいため、乗り心地の低下も防げます。

内装コーティングを施工できるお店

内装コーティングを施工できるお店について解説するイメージ

近年、内装コーティングをメニューとして扱うお店が増えてきています。具体的には以下のような店舗で施工できるようになりました。

・キーパープロショップ
・コーティング専門店
・カー用品店

これらの店舗の施工の特徴や価格について解説していきます。

キーパープロショップ

全国展開しており、ガソリンスタンドの隣などに併設しているキーパープロショップでは、内装コーティングメニューとして「除菌・車内清掃」が用意されています。

ウイルス全般の除菌に実績を持つ「次亜塩素酸水」または「安定化二酸化塩素」を車内全体にスチーム後、清掃作業を行います。車内を清潔に保ちたい方におすすめです。車両サイズによって料金が分かれており、2,810~4,020円で施工できます。

全ての店舗で取り扱っているわけではないため、事前にチェックしたうえで依頼を検討してみましょう。

参考:車内サイドメニュー|KeePer

コーティング専門店

最も車内コーティングメニューが多く、施工環境が整っているのはコーティング専門店です。当社の施工認定店である「カービューティーアイアイシ―」を例に紹介すると、以下のような内装コーティングメニューを提供しています。

インテリアコーティング・SystemX REVIVE SystemX REVIVE(システムエックス・リヴァイヴ)は、アメリカの特殊コーティング開発会社によって作られた車内専用コーティング。車内の未塗装樹脂部分やその他プラスチック部分、フロアマットなど、車内のさまざまな箇所に施工可能で、撥水性能により汚れの固着を防ぐ。
レザーシートコーティング 施工することで、シートの質感などはそのままに撥水効果を付与できる。日焼け止め効果や防汚・防カビ効果があり、車内を快適に維持できる。
ウイルス対策・デオファクターモビ 車内の衛生環境を重視する方向けのメニュー。専用のコート剤を車内全体に吹き付けることで、細菌・花粉・においの元となる有害物質を99%以上減少させられる。「酸化還元反応」により、24時間365日、持続して車内の浄化が可能。

品質を重視したい方は、専門店での施工を検討してみましょう。なお、内装コーティングは新車購入時に施工するのがおすすめです。中古車の場合はクリーニングメニューも用意されているので、そちらも併せて検討してみてください。

参考:カービューティーアイアイシ―

カー用品店

カー用品店でも内装コーティングをメニューとして提供しているお店があります。オートバックスが運営する洗車とコーティングの専門店「Smart+1」では、以下のメニューを施工できます。

シートコーティング・クリーニング レザー・ファブリック素材に対応しており、施工により防汚効果・耐水性・防カビ効果・日焼け止め効果などを付与できる。
車内除菌、消臭 オゾンによる除菌・消臭コーティング。ウイルスや菌を99.9%以上除去できる。カビ発生の予防になり、花粉の不活性化にも役立つ。

この他に、オートバックスではDIY用の内装コート剤も取り扱っています。後ほど、DIY施工の方法や注意点を紹介していますので、参考にしてみてください。

内装コーティングの費用

内装コーティングの費用について解説するイメージ

内装コーティングの費用は、取り扱っている溶剤や施工範囲によって異なります。各コーティングの費用相場は、以下の通りです。

内装コーティングの種類 施工目的や効果
シートコーティング ・運転席:20,000~35,000円
・運転席と助手席:40,000~60,000円
・3列シート:70,000~110,000円
・前後シート:70,000~120,000円
・シートクリーニング1脚:10,000~20,000円
プラスチック(樹脂)コーティング 各箇所で10,000~30,000円
抗菌・防臭コーティング 10,000~30,000円

車両サイズによっても異なるため、お店のホームページを確認してみましょう。シートコーティングは、経年シートの場合、別途クリーニング費用が必要となる可能性があります。

内装コーティングはDIY施工も可能

内装コーティングはDIY施工も可能であることを解説するイメージ

近年は、DIY施工用の内装コーティング商品も販売されています。施工経験のない人でも気軽に施工できるよう、施工性が改良されているため安心です。

ここでは、内装コーティングをDIY施工する手順について、シートコーティングを例に解説します。注意点も紹介していますので、ムラやシミに気を付けて作業してみましょう。

内装コーティングのDIY施工方法

レザーシートコーティングの施工は、以下の手順で進めていきます。

1:掃除機や柔らかいハケを使用して、シートの隙間などにあるチリを除去する
2:固絞りしたマイクロファイバクロスでシート全体を優しく拭き上げていく
3:数時間ほど放置して表面を十分に乾燥させる
4:DIY商品に記載されている手順で施工を進める

ハンドルやプラスチック部分などのコーティングも、基本的にこの手順で問題ありません。コーティング剤が均等に浸透するよう、表面をキレイにしてから施工を進めていきます。

パネル部分やセンターコンソールは、指で強くこするだけでも傷つくほど繊細であるため、必ずマイクロファイバークロスを使用するようにしましょう。目立つ汚れがあったとしても、強くこすらないようにします。

車内は暗く、コーティング剤の拭き残しに気付きにくいため、施工しやすくするためには、車内ライトとは別に専用のライトを用意するのがおすすめです。

内装コーティング施工の注意点

内装コーティングを施工する際には、以下のような内容に注意しましょう。

内装コーティング施工の注意点
・汚れを拭き取る際には、強くこすらない
・成分の強い汚れ除去剤は使用しない
・シートが熱い状態や直射日光が当たる環境で施工しない
・特殊な素材の場合は、目立たない箇所で試しに施工してみる
・一気に溶剤を塗りすぎないようにする
・普段使用しているようなタオルは使用せず、マイクロファイバークロスを使用する

シートや樹脂部分は、非常に傷つきやすく強くこすると細かい線傷が入ってしまうため、注意が必要です。成分の影響を受けて白く変色したりシミになったりする可能性があるため、他で使用する掃除洗剤などは併用しないようにしましょう。

屋外に駐車している場合、直射日光が当たる場所で施工や、シートが熱い状態での施工は避けるようにします。熱によりコーティング剤がすぐに乾いてしまい、模様のようなムラができやすくなります。また、コート剤を塗る際には、一気に塗りすぎないように注意しましょう。

中古車の場合は革シートのクリーニングもおすすめ

中古車の場合は革シートのクリーニングもおすすめであることを解説するイメージ

中古車でシートの汚れや臭いが気になるという場合は、コーティングよりもシートクリーニングの方が最適なことがあります。専用の溶剤と機材を使用しながら、経験豊富なスタッフが表面の汚れを洗浄していきます。

ファブリックシートであれば、取り外してまる洗いも可能です。※電動シートは水に濡らせないため、まる洗いはできません。先にクリーニングすることで、シートの質感が蘇りコーティングを施工しやすくなります。

1脚あたり、1~2万円ほどでクリーニングできますので、お店のスタッフに状態を確認してもらったうえで依頼を検討してみましょう。

車の内装コーティングに関するよくある質問

車の内装コーティングに関するよくある質問に回答するイメージ

最後は車の内装コーティングに関する、3つのよくある質問に答えていきます。

・内装コーティングは必要?
・内装の樹脂部分にも施工できる?
・おすすめの内装コーティング剤は?

内装コーティングの必要性などに関する内容ですので、施工を検討するうえで参考にしてみてください。

内装コーティングは必要?

内装コーティングは必須ではないものの、車内をきれいな状態で保つためには有効です。施工することで、あらゆる箇所に防汚性能が備わり、汚れが固着しにくくなり、お手入れがしやすくなります。

コスト面で迷っている場合は、運転席周りだけ施工して効果を確認してみるのも良いでしょう。そのうえで、必要に応じて車内全体への施工を検討します。

また、費用を抑えたい場合は、DIY商品での施工もおすすめです。数千円程度で道具が揃うため、今回紹介した方法で手軽に試してみてください。

内装の樹脂部分にも施工できる?

コーティングはシートだけでなく、内装の樹脂部分にも施工が可能です。ただし、形状が複雑な箇所では施工が難しく、溶剤の拭き漏れによってシミやムラができるリスクがあります。そのため、できるだけ実績豊富な専門店で施工するのがおすすめです。

DIYで施工する場合は、まず目立たない箇所で試し塗りを行い、仕上がりを確認してから全体へ施工を進めていきましょう。

おすすめの内装コーティング剤は?

内装コーティング剤はさまざまな種類が販売されており、すべてを比較するのは難しいですが、一般的に濃度が高いほど効果も高くなる傾向にあります。ただし、プロ仕様のものは均一に塗り広げるのが難しく、シミやムラができやすいため注意が必要です。

DIYで施工する場合は、プロ仕様ではなくDIY専用の商品を選ぶようにしましょう。スプレータイプであれば量を調整しやすく、均一に塗り広げやすいためおすすめです。市販サイトのレビューも参考にしながら、気になる商品を試してみましょう。

ボディだけでなく内装もキレイな状態を維持しよう

記事をまとめるイメージ

内装コーティングは、紫外線による色あせや摩擦による色移りなどを軽減し、長くキレイな状態を保つことができます。シートだけでなく、樹脂部分・ハンドル・フロアマットなど、さまざまな箇所に施工可能です。

車内抗菌・除菌コーティングを施工すると、ウイルスやカビの繁殖を防げるだけでなく、消臭効果も発揮します。愛車の使用環境に応じて最適なメニューの施工を検討してみましょう。