セラミックコーティングの硬化時間は?納車当日や翌日が雨でも大丈夫?

カーコーティングは、ボディ表面に強固な被膜を形成させることで、汚れが付着しにくくなったり摩擦による線傷を防いだりできます。効果を十分に発揮するには、被膜をしっかりと効果させることが大切です。

初めての施工で「数日で本当に硬化するのか」「納車日が雨でも大丈夫なのか」と、不安に感じている人もいるでしょう。今回は、セラミックコーティングの硬化時間を中心に、施工後の注意点について解説していきます。

納車までにコーティング被膜を完全硬化させる方法や、後悔しないお店の選び方なども紹介していますので、セラミックコーティング施工を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

強固なコーティング被膜が形成される仕組み

強固なコーティング被膜が形成される仕組みについて解説するイメージ

コーティング剤は種類に関係なく全て液体であり、施工する際はボディ表面へ均等に塗り広げていきます。塗布後、コーティングの成分が、空気中の水分や酸素と化学反応を起こし、徐々に硬い被膜が形成されていく仕組みです。溶剤が揮発し、成分が濃縮されることも強固な被膜の形成に関係しています。

乾燥させる環境(温度・湿度)には、最適な範囲があります。温度が低すぎたり湿度が高すぎたりすると、硬化に時間がかかるだけでなく強固な被膜が形成されない可能性があるため、施工環境が非常に大切と言えるでしょう。

コーティング専門店では、下地処理作業とコーティング塗布作業でブースが分けられているのが一般的です。また、湿度・温度管理ができるような空調設備が完備されています。

セラミックコーティングの硬化時間

セラミックコーティングの硬化時間について解説するイメージ

コーティング被膜は、主に3つの段階を経て硬化していきます。各段階の硬化時間は以下の通りです。

コーティング被膜の硬化段階 コーティング被膜の状態
初期硬化(表面硬化) 初期硬化は、コーティング剤を塗布した直後から始まる硬化の初期段階で、施工して数分程度であればクロスで拭き取れるほど柔らかい状態。表面がある程度硬化するには30分~2時間程度かかる。
基本硬化 コーティングが全体的に硬化し、日常的な環境の変化にも耐えられる段階。硬化時間は商品にもよるものの、6~24時間程度かかる。基本硬化が終った時点で納車される車が多い。
完全硬化(安定化) コーティングの化学反応が全て終了し、完全に硬化した段階。コーティング効果の最大限に発揮できる状態で、硬化時間は2~3週間が一般的。半日ほどで硬化するものや1ヶ月ほどかかる商品もある。

納車時には完全に被膜が硬化していると思われがちですが、多くのお店では日常的な環境に耐えられる基本硬化が終った時点での納車が一般的です。これは、数週間も車を乾燥させるスペースがお店にないためです。

上記硬化時間は、あくまでも目安であり商品によってはさらに早く硬化する商品もあり、車を預けたその日に納車可能としているメニューも存在します。

セラミックコーティング施工車を雨の日に納車するのは問題なし

セラミックコーティング施工車を雨の日に納車するのは問題ないことについて解説するイメージ

コーティング施工に関するよくある質問の1つに「雨の日の納車」があります。湿度や温度は被膜の形成に大きな影響を与えるため、納車日が雨では不安に感じる人もいるでしょう。

結論から述べますと、セラミックコーティング施工した車の納車日が雨であっても問題ありません。前章で解説したとおり、納車される車は基本硬化まで済ませてあるため、ちょっとした雨であれば被膜に悪影響が出ることはないと言えます。

ただし、晴れ日と全く変わらないとも言えないため、不安な方は車を預ける段階で晴れの日の納車を希望しましょう。特に青空駐車場で数日間濡れっぱなしになるような場合は、納車日をずらした方が無難と言えます。

コーティング被膜が完全硬化するまでは、雨染みやウォータースポットができやすくなっています。雨があがったあとは、水滴が乾燥する前に簡単な水洗いで汚れを流したうえで、ボディを拭き上げるようにしましょう。

セラミックコーティング被膜が硬化していない状態で注意すべきこと

セラミックコーティング被膜が硬化していない状態で注意すべきことについて解説するイメージ

コーティング被膜は、基本硬化が終っていれば日常環境で大きな影響が出ることは基本的にありません。ただし、完全硬化するまではお手入れ方法などに注意が必要です。

ここでは、納車1ヶ月後まで気を付けるべき3つの注意点について解説していきます。セラミックコーティングはもちろん、ガラスコーティング施工車も対象です。

アルカリ性や酸性のシャンプーやクリーナーは使用しない

手洗い洗車で落とせないような汚れやシミがある場合、相性のいいアルカリ性・酸性のシャンプーやクリーナー商品を使用することがあります。コーティング施工直後の場合は、このような成分を含む商品の使用は控えましょう。

被膜が完全硬化していないため、劣化してしまうだけでなく最悪の場合、被膜が剥がれてしまう可能性もゼロではありません。ちなみに、完全硬化してもアルカリ性・酸性商品の使用には注意が必要です。

普段の洗車で取れないようなシミなどがある場合は、無理をせずに施工店に相談したうえでメンテナンスの実施を検討してみましょう。基本的に普段のお手入れは被膜に優しい中性カーシャンプーがおすすめです。

自動洗車機は使用しない

納車直後の車はもちろん、被膜が完全硬化した車も含めて自動洗車機の使用は基本的におすすめしていません。洗車前にしっかりと水で汚れを洗い流してくれるものが少なく、ブラシの強い洗浄力で被膜が傷ついたり剥がれたりする可能性が高いと言えます。

中には定期的にブラシをお手入れしているお店もあるものの、長年放置しているお店も多く見極めるのは難しいと言えます。コーティング施工車は自動洗車機を使用しないようにしましょう。

どうしても時間がなかったり、お手入れが苦手であったりする場合は「ノンブラシタイプ」の洗車機をおすすめします。ノンブラシタイプに関しても「艶出し洗車・ワックス洗車」といった溶剤を含むメニューは避けるようにしましょう。

汚れが付着したまま放置しない

完全硬化していない被膜は、花粉や黄砂といった汚れの影響を受けやすい状態です。汚れは水と合わさることで雨染みなどを発生させるため、雨が降る前後のタイミングでこまめに手洗い洗車するようにしましょう。

そこまで汚れていない場合は、水洗い洗車だけでも問題ありません。必ず上から下の順番で水を強めにかけながら汚れを流していきます。シャンプーする場合は、汚れを洗い流してからこするようにして、力を入れすぎないように注意しましょう。

特に花粉・虫の死骸・鳥糞は、被膜だけでなく塗装表面にまで浸透してしまいやすいため、気づいた段階で除去するのが理想です。

完全硬化を希望するなら熱乾燥装置のあるお店がおすすめ

遠赤外線による熱乾燥装置で完全硬化できるお店について解説するイメージ

画像参考:carbeauty iic:YouTube

基本硬化後の納車が一般的であるものの、全ての車を完全硬化させているお店も中にはあります。それを可能としたのが「熱乾燥装置」で、遠赤外線による熱乾燥装置であれば、数週間ほどかかる完全硬化が2~3時間ほどで完了します。

お店の設備や使用している機材は、ホームページでチェックしてみましょう。ちなみに、以下のような装置があるお店は、施工環境が整っており、品質の高い施工を受けられる優良店と言えます。

・遠赤外線による熱乾燥装置
・純水処理装置
・ガスプライマー処理装置
・下地処理作業ブースとコーティング作業ブースの完備

純水処理装置は、水道水に含まれるミネラルがボディ表面に膜を張るのを防げるため、コーティング被膜が密着しやすくなり耐久性が向上します。ガスプライマー処理は、ボディ表面をナノレベルで滑らかにできるため、被膜の密着度が上がり美しい光沢が付与できます。

一方で、設備が整っておらず下地処理作業からコーティング塗布まで同じブースで作業しているようなお店は、施工品質が低い可能性があるため、注意が必要です。

DIYでセラミックコーティングを施工する際の硬化時間について

DIYでセラミックコーティングを施工する際の硬化時間について解説するイメージ

近年は、DIY施工用のコーティング剤もたくさん市販されており、自分で気軽に施工できます。作業の流れはお店と大きな違いはないものの、施工設備が整っていないため、被膜をしっかり硬化させるためのポイントを理解しておく必要があります。

DIY施工で失敗しないためのポイントも交えながら解説していきますので、DIY施工を予定している方は参考にしてみてください。

被膜をしっかり硬化させるために意識すべきポイント

コーティングの施工方法は、商品にもよるものの基本的に以下のような流れで作業を進めます。

1.手洗い洗車で全体の汚れを洗い流す(下地処理作業)
2.鉄粉やイオンデポジットなどを専用の溶剤で除去する(下地処理作業)
3.手洗い洗車で脱脂洗浄する(下地処理作業)
4.最適な環境下でコーティング剤を塗布する(コーティング作業)
5.仕上げの拭き上げを行い作業完了(コーティング作業)

この作業の中で被膜の形成と硬化に大きく影響するのが「最適な環境下でのコーティング塗布作業」です。ボディ表面に被膜を形成させるためには、ボディをしっかり乾燥させるようにしましょう。

3の工程で洗車した後は、ボディ全体の水気をしっかりと拭き取り、隙間などの水気はエアーブローでしっかり飛ばすのが理想です。ちょっとした水滴でも被膜の形成に影響が出てしまうため、ある程度時間をおいて4の工程に移りましょう。

炎天下での作業は避けて、十分に被膜を硬化させられるように当日と翌日が晴れている日を選ぶことが大切です。

DIY施工で失敗しないためのポイント

コーティングのDIY施工でよくある失敗には、以下のような内容があります。

  • 下地処理が不十分でコーティングにムラやギラツキができてしまう
  • 炎天下の作業で被膜がすぐに硬化してしまいムラやギラツキができてしまう
  • 一気に作業を進め過ぎてムラやギラツキができてしまう

DIY施工の失敗例で最も多いのがコーティングのムラとギラツキです。中古車で鉄粉が大量に付着していると均等に溶剤を塗布するのが難しくなります。炎天下ではボディが触れないほど熱くなるため、塗ってすぐの段階で被膜が硬化してしまいムラの原因になります。

コーティング剤は一気に塗りすぎると、仕上げ拭きしている間に乾いてしまうため、1パネルずつ仕上げていくのがポイントです。徹底した下地処理は経験者でなければ難しいため、中古車の場合はなるべくお店への依頼を検討しましょう。

費用をなるべく抑えたい場合は、KeePerプロショップなどで下地処理のみお願いするのもおすすめです。ギラつきは、マイクロファイバークロスを拭き取り作業用と仕上げ拭き用に分けることで防ぎやすくなります。

納車直後のお手入れ方法

納車直後のお手入れ方法について解説するイメージ

セラミックコーティングの硬化を長持ちさせるには、こまめなお手入れが欠かせません。納車直後は、特に雨染みなどができやすいため、汚れと雨水が合わさってから時間が経過しないうちに洗車するようにしましょう。

手洗い洗車の方法は、一般的な手順と大きな違いはありません。まずは大量の水を上からしたの順でかけながら汚れを流していきます。すぐにスポンジで洗い始めると、傷だらけになる可能性があるため、注意が必要です。

ボディに砂埃が軽くのっている程度であれば、水を強めにかけて拭き取るだけでも問題ありません。汚れと雨水が合わさり固着している場合は、中性シャンプーで優しく洗っていきます。

被膜が硬化していない段階の注意点で解説した通り、シミやイオンデポジットなどを除去するアルカリ性・酸性溶剤の使用はおすすめしません。使用するスポンジやマイクロファイバ―クロスは、柔らかくボディを傷つけない専用のものを使用します。

System X施工認定店「カービューティーアイアイシー」では、プロ仕様の高品質なお手入れ商品を販売しています。メンテナンス用品も取り揃えていますので、これから購入予定の方はぜひお試しください。

SCHILD® 洗車セット:カーシャンプー、高級マイクロファイバークロス、高性能ウレタンスポンジ
SCHILD® メンテナンスクリーナー:専用クリーナー190ml、メンテナンススポンジ、施工手順書

参考記事:セラミックコーティングのメンテナンスを自分でする方法や注意点を解説!

セラミックコーティングで後悔しないためにはお店選びも大切

セラミックコーティングで後悔しないためにはお店選びも大切であることを解説するイメージ

ここまでセラミックコーティングの硬化時間について解説してきましたが、施工で後悔しないためにはメニューだけでなくお店選びも重要です。セラミックコーティングの施工先を選ぶ際には、以下のポイントで比較してみましょう。

コーティング専門店の選び方

・セラミックコーティングの施工実績が豊富にある
・施工設備と機材が整っている
・下地処理の品質が高く施工事例などでこだわりを紹介している
・コーティング施工について分かりやすく説明してくれる
・利用者の口コミや評判が高い

近年、セラミックコーティングの認知度は上がってきているものの、メニューとして扱っているお店は多くありません。セラミック商品の施工実績があるか、施工事例で確認してみるようにしましょう。

コーティングの仕上がりを大きく左右する「下地処理」にこだわっており、遠赤外線による熱乾燥装置や各作業ブースが完備されていれば優良店の可能性が高いと言えるでしょう。

これらのポイントは、実際にお店を利用した人の口コミ内容でチェックできます。中には事実とは異なる酷評もあるため、全てを鵜呑みにせずに参考にする程度で確認してみてください。セラミックコーティングを依頼するお店の選び方は、別記事で詳しく解説していますので、気になる方はチェックしてみてください。

参考記事:セラミックコーティングを施工できるお店の選び方

System Xの認定施工店に対するこだわり

System Xの認定施工店に対するこだわりについて解説するイメージ

セラミックコーティングの効果を十分に体感するには「最高品質の商品×最高レベルのお店」が必要不可欠です。そのため、System Xはコーティング剤の品質はもちろん、施工店の提案力と技術力も商品の中に含まれると考えています。

コーティング実績が豊富にあり、お客様の要望に沿ったサービスを提供できるお店でなければ認定施工店にはなれません。設備に関しても施工ブースの完備はもちろん、遠赤外線による熱乾燥装置などを採用しているお店ばかりです。

圧倒的なセラミックコーティングを体感したい方は、System Xの施工をぜひご検討ください。

参考記事:セラミックコーティングを施工できるお店の選び方

セラミックコーティングに関するよくある質問

最後は、セラミックコーティングに関する2つのよくある質問に答えていきます。

・セラミックコーティングにランキングはある?
・セラミックコーティングのメンテナンス方法は?

施工メニューの違いや、施工後のメンテナンス方法に関する内容ですので、参考にしてみてください。

セラミックコーティングにランキングはある?

セラミックコーティングには、明確な基準がなく含まれている成分はメーカーによって異なります。一概にどの商品が一番とランク付けすることはできません。

ただし、高い評価を得ているコーティングメーカーであれば、国内に複数存在します。それぞれでコーティング効果の特徴がことなりますので、内容を理解したうえで自分の要望に合ったものを選んでみましょう。

おすすめのセラミックコーティングメーカーやその特徴は、下記記事で詳しく解説していますので、気になる方はチェックしてみてください。

セラミックコーティングにランキングはある?評価の高い商品を紹介

セラミックコーティングのメンテナンス方法は?

セラミックコーティングはこまめな手洗い洗車と、半年~1年に1回のメンテナンスで効果を維持できます。メンテナンス方法はボディの状態によって異なり、具体的には以下のような作業を行います。

1.専用クリーナーによる汚れの除去と劣化した被膜の修復
2.簡易的な下地処理とトップコートの補充
3.不純物除去と研磨作業後にコーティング剤の塗布

軽度なシミが付いている程度であれば、1の作業のみで修復可能であり専用クリーナーを使用すれば自分で作業することも可能です。2や3になると専門的な技術と知識も必要であるため、施工店に依頼しましょう。

セラミックコーティングのメンテナンス方法は、別記事で詳しく解説していますので、気になる方はチェックしてみてください。

参考記事:セラミックコーティングのメンテナンスを自分でする方法や注意点を解説!

完全硬化後に納車してくれるコーティング専門店を探してみよう

完全硬化後に納車してくれるコーティング専門店を探してみよう

コーティング被膜が硬化するまでには、3つの段階があり基本硬化させてから納車するのが一般的です。基本硬化出来ていれば、日常的な雨や温度の変化にも耐えられるため、納車日が雨であったとしても問題ありません。

ただし、コーティング効果を最大限に発揮するには、完全硬化させた方がいいため、乾燥設備を完備しているお店での施工がおすすめです。施工メニューや料金だけでなくお店の設備もチェックしてみるようにしましょう。

System Xの施工認定店は、施工技術や実績において厳しい審査を通過した優良店です。セラミックコーティングを予定している方は、ぜひSystem Xの施工をご検討ください。

参考記事:専門店におけるセラミックコーティングメニューの違いと選び方