セラミックコーティングのディーラー施工と専門店施工の違い

近年は、専門店だけでなくディーラーやカーショップでも、気軽にコーティング施工ができるようになりました。しかしながら、セラミックコーティングは、どのお店でも気軽に施工できるわけではありません。

セラミックコーティングは施工が難しく、一定の設備と施工技術が揃っている必要があるため、お店選びが非常に大切です。施工を考えており、コーティング専門店とディーラーどちらで施工しようか迷っている方もいるのではないでしょうか。

今回は、セラミックコーティング施工における専門店とディーラー施工の違いについて、分かりやすく解説していきます。専門店やディーラーで施工できる主なコーティングも紹介していますので、施工先やメニューを決めるうえでぜひ参考にしてみてください。

【結論】セラミックコーティングを施工するならコーティング専門店がおすすめ

結論から述べますと、セラミックコーティングを施工するならコーティング専門店をおすすめします。専門店は施工技術が高く、仕上がりや持続性に大きく影響する「下地処理」に力を入れているお店が多いためです。

また、純水処理装置やガスプライマー処理、遠赤外線の熱乾燥装置といったディーラーにはないような設備も整っています。全ての専門店が当てはまるわけではないものの、セラミックコーティングの施工なら専門店の中から施工先を決めた方が良いと言えるでしょう。

ちなみに下地処理とは、コーティング剤を塗布する前の作業のことで、鉄粉除去やボディ磨きなどが該当します。「新車なら一緒なのでは？」と思う方もいるかもしれませんが、新車であっても下地処理の内容で仕上がりやコーティングの寿命が大きく変化します。

コーティング効果を実感するうえで、何を選ぶかだけでなく、どこで施工するかも重要であることを覚えておくようにしましょう。

参考記事：専門店におけるセラミックコーティングメニューの違いと選び方

ディーラーではセラミックコーティングを扱っていない

前章の内容を踏まえて考えても「ディーラーで施工したい」と考える方もいるでしょう。しかしながら、2024年8月時点でセラミックコーティングを扱うディーラーはありません。あくまでも推測にはなりますが、扱わない理由は以下の通りです。

・設備や機材が揃っていないため十分な品質を提供するのが難しい
・ガラスコーティングで高品質なメニューを取り扱っている

セラミックコーティングの効果を最大限に発揮するには、施工設備や機材が揃っている必要があります。施工ブースが分けられているだけでは、値段に見合った品質を提供するのが難しいと言えるでしょう。

ディーラーでは、手軽に試せるものから品質の高い本格的なガラスコーティングまで扱っているため、新たなコーティングの導入を検討していないといった理由も考えられます。

コーティング専門店でのセラミックコーティング施工をおすすめする理由

そもそもコーティング専門店とディーラー施工の違いが良く分からないという方もいるのではないでしょうか。セラミックコーティング施工なら専門店がおすすめと解説しましたが、それは扱っているメニューが違うからではありません。

なぜコーティング専門店での施工が良いのか、おすすめする具体的な理由について3つ解説していきます。ディーラー施工についても紹介していますので、参考にしてみてください。

専門店はコーティングに特化しており実績が豊富

近年は、ディーラーでも当たり前のようにコーティングできるようになりましたが、あくまでもメイン事業は車の販売です。一方で専門店はコーティングに特化しているため、作業料に大きな違いがあり実績も豊富です。

施工店	作業の特徴
ディーラー	・施工車のほとんどが新車であり車種は自社のものしか扱わない ・展示車など状態の悪いものもあるが、基本的に新車状態で下地処理の作業内容が毎回似ている ・1台あたりの作業時間がある程度決まっており、状態に応じて作業量が変わることが少ない
コーティング専門店	・国内メーカーはもちろん、ベンツやアウディといった海外メーカーの車種も豊富に扱っている ・新車もあれば中古車もあり、ボディ状態がバラバラなので車に応じた下地処理を行っている ・車種やボディ状態によって料金が分けられており、車の状態に最適な作業を都度決定する

同じ車種ばかり扱っているからこそ、作業時間を短縮したり塗装の柔軟性を熟知していたりするといったディーラーならではの特徴もあります。しかしながら、実績豊富なのは圧倒的にディーラー側と言えるでしょう。メーカー・車種別で塗装の特徴や施工における注意点も知り尽くしています。

専門店は設備や機材が充実している

設備に関しても、ディーラーとコーティング専門店では大きな違いがあります。具体的な違いは以下の通りです。

施工店	設備や機材の特徴
ディーラー	・メイン事業ではなく作業スペースが限られているため、整備ブースと兼用か1～2ブースのみ用意されている ・キズやムラを見やすくするライトなどはあるものの、大掛かりな設備は基本的に備わっていない ・使用する機材などはある程度決まっており、さまざまなメーカーのものを使い分けているわけではない
コーティング専門店	・下地処理ブース・洗車ブース・コーティング施工ブースなど、作業内容に応じたブースが完備されている ・純水処理装置や遠赤外線の熱乾燥装置など各作業の品質を高める設備が完備されている ・クリーナーや磨く機械などは積極的に新しいものを採用しており、各商品の特徴を理解したうえで使い分けている

上記内容はあくまでも傾向であり、全てのお店が当てはまるわけではありません。ただし優良店に限っては、設備や機材においてディーラーよりも品質が高いことは間違いないと言えるでしょう。

「特殊な設備を使用したから」と、後から高額な施工費用を請求されることもありません。「専門店＝高額」というイメージを持たれがちですが、品質の高いコーティングのみ扱っているだけで、同じ程度のものであれば専門店とディーラーで料金に差はほとんどありません。

専門店はアフターメンテナンスが用意されており安心

コーティング効果を長く実感するうえで欠かせないのが「メンテナンス」です。「セラミック商品ならメンテナンス不要！」「お手入れいらずの商品！」といった過大な宣伝をしているお店も見受けられますが、商品に関係なく定期的なメンテナンスは必ず必要です。

施工店	アフターメンテナンスの特徴
ディーラー	・メンテナンスキッドを渡すか、クリーナーなどを使用する簡易的なメニューが用意されている ・状態の悪いものは再施工するか、外注先へ依頼する
コーティング専門店	・簡易的なものから研磨付きの本格的なものまで、ボディ状態に応じたメンテナンスメニューが用意されている ・ボディ状態や相談内容に応じて柔軟に対応してくれやすい ・保証期間が長く、再施工する場合は費用も専用価格が用意されている ・普段から利用できる手洗い洗車などを行っているお店もある

コーティング専門店は、さまざまな状態のボディを取り扱うことに慣れているため、アフターメンテナンスの種類も豊富です。簡単に対処できないような状態であったとしても有償にはなりますが、柔軟に対応してもらえます。

外注していないため「前回と対応レベルが全く違う」「全く改善していない」といったトラブルも起こりません。ディーラーに関しては、メンテナンスと一緒に整備関係の作業も依頼できることがメリットと言えるでしょう。

このようにディーラーと専門店では、施工内容に大きな違いがあり、コーティングの仕上がりや寿命にも差が生まれます。ただし、全ての専門店が当てはまるわけではないため、比較したうえで優良なお店を見つけることが大切です。

【注意】セラミックコーティングはどの専門店でも施工できるわけではない

セラミックコーティングを施工するなら専門店がおすすめと解説しましたが、専門店ならどこでも施工できるわけではありません。セラミックコーティングは成分が濃く、ムラなく施工するには高度な施工技術と設備が必要であるからです。

ガラスコーティングにも品質の高いものは多くあるため、専門店だからといって必ずセラミックコーティングを扱っているわけではありません。また、セラミック商品を扱っていたとしても優良なお店でない可能性もゼロではないため、施工先の選定は慎重に進めましょう。

次章では、質の高い施工を受けられる優良な専門店の特徴を解説していきます。

参考記事：セラミックコーティングを施工できる専門店の選び方

品質の高い優良な専門店の特徴

セラミックコーティングの美しい仕上がりと効果を十分に実感するには、優良なお店に依頼することが大切です。「初めての施工でどのお店がいいのか分からない」という人もいるのではないでしょうか。専門店を比較する際には、以下のポイントをチェックしてみましょう。

・セラミックコーティングの施工実績が豊富にある
・設備が整っている
・利用者からの口コミで高い評価を得ている

施工実績をチェックする方法やおすすめの設備、口コミを見る際の注意点について解説していきます。

セラミックコーティングの施工実績が豊富にある

ガラスコーティングとセラミックコーティングでは施工方法に大きな違いはないものの、ムラなく施工するのが難しく作業が大変なのはセラミック商品です。下地が整っていなければ均等に溶剤を塗布できず、ムラができたり余剰成分によりギラついたりします。

そのため、ガラスコーティングではなくセラミックコーティングの施工実績が豊富であるかをチェックするようにしましょう。多くの専門店では、施工の様子などを「施工事例」で紹介しています。

どれほどセラミックコーティングの依頼を受けているのか、どのような作業を行っているのか事例の詳細をチェックしてみましょう。ホームページに施工事例を載せておらず、作業の内容などについて詳しく説明していないお店は、口コミを確認したり直接質問するなどして調べるようにしましょう。

設備が整っている

専門店の特徴としてディーラーよりも設備が整っていると解説しましたが、全てのお店が該当するわけではありません。1つのブースしかなく全ての作業を同じ場所で進めているようなお店も中にはあります。以下のような設備があるかチェックしてみましょう。

コーティング設備	設備の目的
各作業用ブースの完備	・下地処理作業はボディを磨くことから粉塵が舞いやすく、脱脂洗浄などで水を使用するため、湿度が高くなりやすい。温度・湿度の管理ができるコーティング用のブースがあることで、より質の高い仕上がりになる。
純水処理装置	・水道水にはさまざまなミネラルが含まれており、脱脂洗浄でボディを洗った際にはボディ表面にミネラルの膜ができてしまう。純水であればこのような状態を防げるため、よりコーティング剤がボディに密着しやすくなり、被膜の寿命が向上する。洗車の際にもイオンデポジットができにくくなる。
熱乾燥装置	・被膜を完全硬化させるには3～4週間ほどかかるため、多くのお店では基本硬化までで納車している。熱乾燥装置があれば、数時間ほどで完全硬化が終り、コーティング効果と寿命を向上させられる。
ガスプライマー処理	・ボディ研磨したあとに特殊な火炎を当てることで、酸化ケイ素粒子が表面に付着し、さらに表面が滑らかになる。被膜の密着度が向上するだけでなく、光が均一に反射されるようになり、より深みのある美しい光沢が生まれやすくなる。

全ての設備がなければ施工できないわけではないものの、多いほど品質の高い施工が可能です。最低でも各作業用ブースが完備してあり、湿度・温度管理されているお店を選ぶようにしましょう。

利用者からの口コミで高い評価を得ている

お店の設備・仕上がりの良さ・コーティングの効果・アフターメンテナンスの内容・スタッフの対応など、お店に関する情報を得られるのが利用者の口コミです。悪い口コミが1つでもあったら悪いお店というわけではないものの、明らかに評価が低いお店には注意が必要です。

セラミックコーティング以外の商品も含めてお店の評価をチェックしてみましょう。チェックする際には、お店側で操作できないGoogleの企業口コミなどが参考になります。Googleの企業口コミは、お店側から返信もできるため、真摯に対応しているかも重要なポイントです。

口コミの中には事実と異なる酷評も存在します。悪い評価全てを信じすぎるのも良くありません。あくまでも参考にする程度で読んでみましょう。

ディーラーで施工できるコーティング

専門店のセラミックコーティング施工について解説してきましたが、ディーラーでどのようなコーティングが施工できるのか気になる方もいるでしょう。

ディーラーでは、独自で商品開発していたり有名なコーティングメーカーの商品を扱っていたりします。ここでは、トヨタとホンダを例にどのようなメニューを扱っているのか紹介していきます。

トヨタのコーティング

トヨタでは「ボディコート・ガラスコート(窓用)・ホイールコート・室内抗菌」の4種類を提供しており、ボディコートは4種類の中から選べます。

コーティングメニュー	商品の特徴	施工価格(ミニバンサイズ)
QMIセンチュリオンコート	・2重型のガラス系コートで滑水性が高く雨水でボディの汚れを簡単に洗い流せる。 ・高硬度で潤滑性に優れているため、摩擦による洗車傷がつきにくい	15万円前後
QMIグラスシーラント タイプTII	・ガラス系コートで滑水性に優れているため、綺麗な状態でボディを維持しやすい。 ・耐擦り性能にも優れており、耐久性はセンチュリオンコートと比べて少しだけ低い	7万円前後
QMIグラスシーラント	・ガラス系コートで低撥水性能により、細かな水滴がボディに残りにくく、シミができにくい。	7万円前後
QMIペイントシーラント	・テフロン系被膜で、ガラス系商品と比べると耐久性は低いものの美しい艶が特徴。	6万円前後

参考：新車ご購入時におすすめのカーケアメニュー｜トヨタ自動車株式会社

トヨタではガラス系コーティング3種類とテフロン系コーティング1種類が施工できます。新車で8～15万円は一般的な相場と言えるでしょう。上記情報はトヨタ公式サイトのものであり、お店によっては別のメニューを扱っていたり、施工価格が前後していたりします。

ホンダのコーティング

ホンダの純正ボディコーティングは、10種類と多く要望に応じたメニューが選べます。形成される被膜の層の数によって以下の通り分類されています。

ボディコート	コーティングメニュー	施工価格(ミニバンサイズ)
3層コート	CPCプレミアムコーティング・エクスGN	要確認
2層コート	・プレミアムグラスコーティング・グランデ ・CPCプレミアムコーティング・ダブルGN ・ECOプラス・ダイヤモンドキーパー ・EXキーパー	要確認
1層コート	・グラスコーティング・ガードコスメSP ・プレミアムグラスコーティング・ハイドロフォビック ・プレミアムグラスコーティング・ウォーターランニング ・ブライトポリマー ・グラスコーティング	要確認

参考：新車向けボディコーティング｜株式会社ホンダアクセス

トヨタと同じく店舗によって取り扱っているメニューや価格が異なります。正式な施工価格は掲載されていなかったものの、口コミサイトでは10～30万円という内容が多く、相場よりも高い印象です。

コーティング専門店で施工できる主なセラミックコーティング

最上級の品質を誇るセラミックコーティングですが、成分などに明確な基準はありません。そのためメーカーによって製法や成分だけでなく効果の特徴も異なります。

ここでは、コーティング専門店で施工できる主なセラミックコーティングを3つ紹介していきます。施工メニューを決めるうえで参考にしてみてください。

System X

当社が販売するSystem Xは、アメリカの特殊コーティング研究開発会社によって開発されたセラミックコーティングです。車よりも過酷な環境で稼働する船や飛行機で採用されてきており、車用に改良されました。国際企業ボーイング社の検査も通ると言われるほど厳しい審査が行われる、スイス・SGSの検査でも認証を受けています。

これまでにない耐久性が一番の特徴で、耐紫外線性・耐薬品性・耐擦り性能に優れたコーティングです。他の商品では真似できない耐久性を可能としたのが「圧倒的な被膜の厚さ」であり、ガラスコーティングとは比べ物にならないほどの膜厚がボディをあらゆる脅威から守ります。

また、深みのある美しい光沢も特徴で、優れたセルフクリーニング性能によりちょっとした雨水でも汚れが流れ落ちるため、綺麗な状態を保ちやすくなっています。6種類のラインナップが用意されており、予算や要望に応じたものをお選びいただけます。

FEYNLAB

世界で初めて車用のセラミック被膜ガラスコーティングを開発した会社で、多くの国で導入実績のあるメーカーです。販売されている商品の中でも特に注目を集めたのが「ファインラボ・ヒールシリーズ」です。

小傷が消えるボディーコーティングで、被膜に熱が加わることにより細かい傷が自己修復されてなくなります。超撥水性でお手入れもしやすく、美しい光沢と高い耐久性を兼ね備えた商品です。

ヒールシリーズは2層と4層の商品があり、2層の耐久性は7年、4層は5年となっています。

Adam’s Polishes

Adam’s Polishes(アダムスポリッシュ)は洗車大国・アメリカのメーカーで、最上級の品質を誇るのが「グラフェンセラミックコーティング」です。ダイヤモンド並みに硬い炭素素材を取り入れることで圧倒的な強度を実現しました。

被膜硬度は10Hと現存するコーティングの中で最高レベルの硬さを誇り、System Xと同様にSGSにて被膜硬度が証明されています。アダムスポリッシュが世界中で高い評価を得ているのは、コーティング品質の高さだけではありません。

コーティングに合わせたアフターケア用品を200種類以上も販売しており、日頃のお手入れやメンテナンスが簡単に行えます。艶に特化したアイテムなどもあり、その日の気分に合わせたカスタマイズも可能なメーカーです。

System Xの施工認定店に対するこだわり

今記事で解説してきた通り、セラミックコーティングの効果を十分に体感するには施工メニューだけでなく専門店のレベルも重要です。System Xでは、提供の品質も商品の1つと考えており「施工店の提案力と技術力」にもこだわっています。

車の状態や駐車環境などに合わせた商品の提案、豊富な経験と設備を活かした施工技術などにおいて厳格な審査を行っています。当社の施工認定店は、これらの審査に合格した優良なコーティング専門店です。

全国に認定店がありますので、セラミックコーティング施工を検討している方は、ぜひSystem Xの施工をご検討ください。施工認定店の詳細は当該サイトのメニュー「施工店」でご確認いただけます。

優良な専門店でセラミックコーティングの凄さを体感しよう

セラミックコーティングは、品質が高く圧倒的な仕上がりを体感できる一方で、施工が難しく作業も大変です。そのため、なるべく施工設備が整っており施工経験が豊富なコーティング専門店に依頼することをおすすめします。

必ず必要というわけではありませんが、今回紹介した設備が完備されているかチェックしてみましょう。ディーラーに関してもセラミック以外の商品であれば施工可能です。予算なども踏まえて施工メニューを検討してみましょう。

System Xは施工認定店でのみ、メニューとして取り扱っています。施工認定店がお近くにある場合は、お店のこだわりなどを調べたうえでぜひご依頼をご検討ください。